緑色異星人年代記

同人サークルPlatineDispositifの日々の欠片

帰ってきたバニーさん

かなり前にリリースしたうちの作品「チェルシーさんは7の魔神をブッ殺さねばならない。」のSteamでの日本向けの取り扱いが始まりました。
海外でのタイトルは Bunny Must Die : Chelsea and 7devils になっています。
http://store.steampowered.com/app/250660
取り扱い自体は9月末から始まっていたのですが、手違いがあって日本向けの取り扱いが大変遅くなってしまいました。事態の解決に向けて全力で催促していたのですが、結局2ヶ月もかかってしまい大変申し訳ありません。
今日はこのSteam版(海外版)での変更点と、2ヶ月もかかった原因とその周辺事情について長々と書こうと思います。超長くて大変申し訳ありませんが、書くのに超時間かかったので興味ある方はゲンナリしながら読んでいただけると超ありがたいです。

■海外版での変更点
既にSteamリリースより前に他の海外のダウンロード販売サービスでも取り扱いが始まっていまして、こちらも同じ仕様になっているので海外版として呼称します。海外版では言語対応といくつかのグラフィック周りの変更、(主に)妖精王編のバランス再調整が入っています。
・グラフィックの変更点
オリジナル(準拠)モードと海外モードの2つがあり、オプションで切替可能です。海外モードの新しいステータス画面はこちらで用意したもので、見た目一発で海外モードだとわかるようになっています。
また16:9画面にも対応が可能になっています。が、これはとりあえずテストで作ってみたものなのでマップの地形が16:9だとやっぱり若干きびしい部分があり、4:3でプレイしたほうがいいかもしれません。これもオプションで切替可能です。
(余談ですがこのとき16:9向けに色々いじった成果はBLOODVANE以降に活用されました)
・バランス再調整
妖精王編のバランスがかなりブン投げ気味だったので本来あるべき形に近くなるようにこの機会に手を入れてみました。
ハシゴアイテムの使用時に1マナ消費するのが初期の仕様でして、場所によって詰みが発生するのを全て解決する時間がなかったのでしょうがないから消費しないようにしたのですが、今回時間でマナ回復という解決を見たので仕様を本来のものにできました。この関係で時間ジェム回りの仕様もバニー編と統一することができました。
もうひとつの大きな変更点はエリクサーの仕様で、ライフ0になったときストックを消費してライフ全回復で消費したストックは二度と戻らなかった旧仕様から、ライフ0発動は同じですが、所持しているストック数に応じてライフ回復し、ストック数そのものはセーブポイントでライフと同じように復活するようになりました。要はスーパーメトロイドリザーブタンクですね(ぶっちゃけた)。
これらの変更に伴い、全体的にバランスの再調整が入っています。特にセプテントリオンボス以降の一撃死上等なダメージ量とか。ハシゴアタックは以前ほど無駄撃ちはできなくなりましたが、ボス戦での使用可能回数を確認した際にそれほど影響ないと判断しています。

同人版をプレイした方では前のバランスのほうがいいという人もいると思いますので、同人版のほうはあのままにしておこうと思います。

■日本向け制限解除までの経緯
まず、当サークルと海外パブリッシャーであるRockinAndroid社との契約形態から説明しないといけないのですが、元々は北米・欧米での販売権利しかRockinAndroid社とは契約していなかったので、日本は契約の範囲に含まれていませんでした。
当初はオフラインの世界を想定しており地域市場の分断やリージョンなどがあったので、特に困ることはなかったのですが、オンラインのダウンロード販売サービスになると話が変わってきて、日本だけ制限かかるのはなんだかなあと思うので可能な限り制限をかけないでいいです、という話をしてありました。
BunnyMustDieより前にGundemoniumCollectionというシューティングゲーム3本セットをSteamでリリースしていたのですが、このときはRockinAndroid社側から「日本向けにもリリースしておk?」と連絡があったので「おk」と返答してあります。
(更に少し前にPS3でリリースした際はSCEJとの交渉がうまくいかなかったようで日本向けのリリースがそのまま立ち消えになったこともあります)
そして今回のBunnyMustDieになるわけですが、リリース当日にRockinAndroid社から突然Steamの取り扱い始めましたと連絡がきて、Steamのサイト見に行ったら日本向けは取り扱いありませんと書いてありまして、その日のうちに「これどうなってるんですか?」と連絡したのですが返事がきたのが10日後で、その後二週間に一度ぐらいのペースで「もう少し早くして下さい」といいながらやりとりしてたのですが、そのまま二ヶ月過ぎてしまいそうになったのでキレたらやっと仕事してくれたのがここまでの流れです。

RockinAndroid社の説明では日本向けの取り扱いがないのは原作者の意志を尊重したという説明がなされているのですが、このように意志の確認はなかったので明らかに間違っているので訂正を求めているのですが、一応訂正はするという返事はもらったものの未だに訂正はされていません。原作者の意志を尊重したというのなら、GundemoniumCollectionの取り扱いはどうなんだという話になりますし、先に取り扱いの始まっているPlayismではBunnyMustDieは日本からでも買えるわけでなんとも奇妙な話です。
この点については今後対応してもらえましたら追記するかもしれません。RockinAndroid社のほうも曰く色々忙しいようなのですが、もう少し何とかならないかなと思う次第です。

■日本語対応版について
Steamでリリースされる海外版についてはローカライズ作業は全て、RockinAndroid社側で行われています。なのでどのように実装されているのかは詳しくはわからないのですが、当初は日本語の部分を置き換える形になっていたようなので日本語は含まれていません。
日本語を含めることに積極的でなかったのは前述のとおり契約によるところが大きいです。そして日本のゲーム市場では同人ゲームはあまり歓迎されてないようなので、わざわざこちらから契約外の日本語対応はしなくてもいいかなと思っていたわけですが、今回日本語の対応はないのですか?という話を割と多くいただいて、今はそういう需要もあるのかなと思い、RockinAndroid社に聞いてみたところ多言語対応済みなのでそれほど時間はかからないという話だったので試しに日本語も入れてもらうことにしました。
同人ゲームって昔は他の場に行くと同人イラネと言われてたもんですが、時代も変わったものだなと少し思ったりもします。

コミケ等のお話
今回の件で日本向けに取り扱いがないのはコミケに参加できなくなるせいだとかいうデマが流れていたのですが、そういうことはないです。
コミケは基本的に様々な表現を受け入れる場であり、法人が大手を振って商売しようとしたりしなければだいたい大丈夫です(それすら企業スペースに行ってくださいとやんわり誘導するに留まるレベル)。プロの漫画家が自分のキャラの同人誌とか売ってたりしますからね。
もっとも、同人ゲームは「コミック」マーケットではどちらかというと外様のようなものなので、今後はどうなるかわかりませんが。今のところはそんなグダグダな感じです。

長くなりましたが、概ねこんな感じです。
今後のことはわからないことが多いのですが、とりあえず、今日はこの辺りで終わります。何か質問などがありましたらtwitterやメールなどで聞いていただければ可能な限りお答えします。